助成金の申請とか

money二番目の庭の新作製作のために、ひさしぶりに助成金書類を書いている。

8月末だったか、天啓みたいな感じで新作のアイデアが閃き、興奮冷めやらぬといった感じで北村Pにアイデアを伝えたところ、珍しく悪くない反応だったので、それ以来ちょこちょことアイデアを温めている。やりたいことをやりたい通りに予算を組んだら100万弱になった。これでも割と絞ってる方だと思うけど。たぶん十分にお金を使うとしたら、130万くらいになるんじゃないかな。100万は結構絞っている方だと思うので、もうちょっと現実的な予算を組み直す。

申請しようと思っている助成金は、いわゆる芸文と呼ばれるやつ。芸術文化振興基金。たしか2006年くらいから申請はしてて、途中「どうせ取れねえし」という前向きな理由で申請しなくなってたんだけど、今年ひさしぶりに出す(予定)。

初めのころは、頭が悪かったので「2ばんめのにわがしんさくをつくるのに300まん円かかるので、150まん円ください」みたいな内容だったと思う。300万て。何様だ。使いすぎだろ。みたいなのを書いてた。当然落ちた。その後、「二ばん目のにわがしん作を作るのに200万円かかるので、100万円ください」みたいになり、最終的には「二番目の庭が新作で150万、再演で100万使うので、それぞれ50万、20万の助成をお願い致します」みたいになった。数字は適当だけど、概ね間違ってないと思う。3年くらいで現実的に理想を抱くということを知っていった。知っていったのだけど、まあ全部落ちた。

その後、北九州市の文化振興基金をいただけることになって、初めて助成金の申請〜決算までを一通り経験した。経験して初めて、助成金をいただく意味みたいなものをきちんと考えた。だって、あの弱小だと思っていた二番目の庭が助成してもらうんだよ? それも市の税金を充てていただくんだよ? そういうプレッシャーというか、責任を背負うのが、助成金をいただくうえでこちらが支払う対価のひとつだ。あともうひとつは、いい作品をつくること。

その結果生まれたのが、2ヶ月マンションを借り上げて、そこで焼肉したりしながらつくった「病気」の初演。これは、劇評もいくつか載ったほか、年末にいろんな新聞でも取り上げていただいたので、助成してくださった北九州市にきちんとお返しができたと思う。

次に助成していただいたのが、金を出すから黙ってつくりたいものつくらせろという気持ちで、北九州芸術劇場を借りて上演した「なにもない/なにもしない」。めっちゃお金かかった。翌年東京公演を行い、しかも初日前に全公演完売したという実績ができたので、これもまあ市に還元できたんじゃないでしょうか。

あとは今年の1月に発表した「ライフスケープ」なんだけど、これはまだきちんとお返しができていないと思っている。「ライフスケープ」は、いろんな地域に持っていくことで出来上がっていく作品のひとつだと思うので、北九州以外の地域での上演をもってようやくお返しができる。これをもって京都とか仙台とか行きたいんだけど、「お金」という現実的な問題をどうクリアするかが見えないと持っていけない。もう二番目の庭で赤字を出す時期は終わったんだ。

それで、いま助成金書類を書いている新作。何人かには「天才的な作品のアイデアが浮かんだ」と豪語しているのだけど、やっぱり現実的にお金が必要になる。お金がないとつくりたい質のものがつくれない。やり方のひとつとして、関わってくれるひとにギャラを払わないことで製作費を抑えるということもできるのだけど、二番目の庭や、自分が関わる事業でそういうことはもう絶対したくない。ノーギャラは、誰も責任を負わないという甘えでしかない。

助成金書類を書いていると、「その作品を製作することが、社会的にどのような意義があるんスか」と否応なく問われる。本音は「うるせえ、いいから金くれ」なんだけど、一応「演劇の可能性を広げる作品なんス」とか書く。ちょっと違うな、とか思ったりする。たぶんその「ちょっと違うな」とか感じることが大事で、自分たちの活動を捉え直してみる、少し客観的になってみるという行為は、作品や団体の体力にもつながってくるんじゃないかと思う。

そうやって問い直してみたときに、社会的に還元できると言える事業でなければ、申請するのをやめた方がいいと個人的には思う。まあ、出したところで通らない可能性が高いけど。趣味とか部活みたいな感じでやった方が、まだ健全だと思う。趣味とか部活みたいなのって大事だし。いちばんたちが悪いのは、趣味みたいなノリでやってるのに、社会的な活動だと言い張ること。二番目の庭は趣味だったけど、「劇団」の冠を取ったタイミングから趣味にするのをやめた。やりたいとかやりたくないとか抜きにして、人様のお金とお時間をいただいてまで発表するに価する作品をつくる、ということを意識し始めた。そういう作品は、別に天才じゃないから1年に1本もつくれればいい方だし、天才じゃないから実際のところつくるのに大体2年くらいかかる。

話が逸れたけど、せっかくの機会なので、助成金書類を書いたことがない方は書いてみるといろいろ自覚していいですよということが言いたかったのです。あと、庭の新作はすごいので、もし無事に来年度発表できる運びになれば必ず来いと言いたかったの。

(※写真は「報酬を手に入れ、「うわっ・・・こんなに!」と口に手を当て驚く男性」とのことです)