東温日記

弊社の慰安旅行で、愛媛県は松山市、と言いたいところだけどその隣にある東温市というところに行った。東温に行ったのには理由があって、この春北九州から引っ越した高山力造さんが住んでおり、そこに泊まれば宿泊費タダやんけという、およそ会社の慰安旅行とは思えない事情があったからだ。移動は行きも帰りもフェリー。どちらも午後10時出発で午前5時着という、「なんで……」というタイムスケジュール。乗船してすぐ眠りについたとしても睡眠不足気味になる。弊社の慰安旅行は当然のことながらいちばん安い客室を手配していただいたのだけど、この客室が、非常灯がめっちゃ明るく、いい間隔でめっちゃうるさい換気扇があったために、「そこまでして眠りを妨げなくてよくない?」みたいな気持ちで床につくもmattaku眠れず、なんで「まったく」がローマ字になったんだ。睡眠不足なうえに午前5時に松山にフェリーが着き、詰んだ。一応7時まで船内にいていいことになってたんだけど、二度寝すること能わず。「あっ、眠っ」という感じになってきた頃に、下船してくださいコール。世知辛いですね。

7時に高山力造さん、フルネームめんどくさいので以下力造さんが迎えに来てくれていて、「こんな朝早くにすいません……」と形だけの感謝をした。

車は松山から東温に向かう。景色が北九州空港に向かうときの曽根を超えるあたりのそれと似ていた。愛媛感ゼロ。「四国銀行」というものを見かけて、「地元のひとはやっぱシコ銀って言うのかな」とか考えた。「四国○○」って名前のもの、結構あると思うんですけど、全部略して「シコ○」って言うんですか? どうですか?

10分も走ると社長がお腹すいたというので、「モスありますよ」とか「ファミマありますよ」とか、愛媛感ゼロの店を紹介したけど無視。しかし現実問題として時刻は午前8時前。24時間営業のところ以外、まだ開いてない。Google Mapsでこの先なにがあるか調べてみたら、2.3km先にマクドナルドがあることがわかった。「マックありますよ」と言ったけどまた無視。マジでいろんなところが開いてなくて、ほんとこのままだとマックかよという空気が流れたその矢先、マックまであと300mといったところで、すき家が開いていた。内心ホッとした。

すき家で各自定食を頼む。僕はすき家で牛丼を食べると必ず下痢します。なんで? 牛丼じゃなかったのでその後も下痢をせずに済んだ。

食事を済ませて、車は東温に近づいていく。ちなみに松山のフェリー乗り場と東温市は朝のラッシュ時というのもあったけど車で約1時間くらいの距離です。こんな離れてるのに力造さん7時着で迎えに来てくれたのか……。形だけ感謝。

その後、東温市内のいろんなところを見せてもらう。4月からやってきた力造さんが、すでに幅利かせててマジパネエ存在になっていることを知る。力造さんは「地域おこし協力隊」として東温に来ており、地域おこしを協力してるんだけど、個人がポンと行ったって、そんないきなり地域をおこしたりできない。力造さんだからとかじゃなくて、野田秀樹だって無理だ(力造さんは野田秀樹に似ています)。よそから移り住んできたひとがその土地でなにかをするってなったとき、まず大事なのは関係を築くことだと思う。よそものにいきなりいろいろ言われたりしたら、やっぱ反発したくなるもんね。「あんたが言うんなら、こうなんだろう」と思ってもらえるような関係を築くのが、はじめの一歩のような気がする。

それで、力造さんはわずか3か月で、このはじめの一歩をたくさんクリアしている印象を受けた。すでに車でいろいろな場所を案内することができるようになっていて、どこに行っても「あー高山さん」みたいな感じで受け入れられていた。といってもあんまりひといなかったけどな! これは成果としては見えにくいけど、ものすごく大切で、すごいことだと思う。自分が移り住んだ場合、3か月で、いろいろな場所のひとたちとこんな関係築けるかなあ……。無理そう。

いろいろ案内してもらった後、力造さんが春から始めたという野菜の栽培をしている農園を見せてもらった。びっくりしたのは、野菜たちも力造さんに話しかけていたこと。「あっ、リキゾーだ!」「リキゾー!」「リキゾーさん!」「わー」「わー」と、きゅうりとかなすとかパクチーが言っていた。嘘です。

そういえばここで俺は生まれて初めて自覚してパクチーを食ったのであった。たぶんどこかで料理に入ってるパクチーは食べたことあるんだろうと思うけど、パクチーという自覚もなく食べたのでノーカウント。さらに話は逸れるけど、俺はつい最近、パクチーを食べたことがないのに食べたことがあるフリをして、「まあ僕も食べれなくはないですけど、そんなに好んで食べたいとは思わないですね……」という無難なコメントをしたことをいつまでも気にしていた。この話をいろいろなひとにするたびに、「別に食べたことないって言えばよかったやん」と言われるけど、俺はそういうところでプライドが高いんだ。で、実際にパクチーを生で食べた感想ですけど、おいしいカメムシみたいな感じですね。食べれなくはないですけど、そんなに好んで食べたいとは思わないですね……。よかった。嘘ついてない感想を抱けて。

その後、我々は夜に観劇の予定があった(と、他者からのメールで知った)ので、その前に風呂に入って仮眠を取っておきたく、風呂に行った。410円でめっちゃ泉質のいい温泉に入れた! 風呂から上がって休憩スペースで本気の睡眠を30分取った。僕と社長はすっと起きたけど力造さんがなかなか起きなかったので、社長の携帯を力造さんの股間において、僕が携帯を鳴らして、股間にめっちゃバイブ当てたんだけど起きませんでした。流石だ……。

その後、シアターねこと鈴木さんを紹介していただき(ここでの公演も観たい)、ライブバーみたいなところに行って、清水宏さんのコメディを観た。この流れで世界劇団の本坊女史と赤澤さまに会う。赤澤さま、ツイッターで写真を拝見してから「マブい……」となって、今回の慰安旅行のいちばんの目的であった「赤澤さまに会う」が達成され、俺は満足した。本坊女史はまあいいです。何回か見たことあるし。

そういえば本坊女史、俺と出身地がめっちゃ近くて、鹿児島の同じ町内で生まれ育っていた。通ってた小学校も当然同じで、お互い同じ校歌を歌えたりして驚いた。そういう偶然ってある? まああるか。

観劇後、飲みながらざっくばらんに話す。力造さんは清水さんと話したいということだったので、力造さん抜きで世界劇団のふたりと弊社のふたりの4人で飲む。合コンみたいだね。ふたりとも医者なので(ひとり研修医だけど)、心身の不調などを診断してもらう。してもらってはないな。話を聞いてもらっただけでした。モルヒネとかもらえるかと思ったけど無理だった。

結局力造さんは清水さんの方で盛り上がってたらしくて我々の方に合流せず、我々もいい時間だったので引き上げることにした。お会計をしてもらったら、赤澤さま割引で結構安くなった。赤澤さますごい……!

清水さんのところで盛り上がっていた力造さんと合流して、高山邸に送ってもらう。力造さんはなぜか家には帰らず、どこかに去っていった。女か? 女のところに行ったのか? なあ! なあ!!!

睡眠不足がたたっていた我々は、軽くシャワーを浴びるとすぐさま寝た。長い一日だった。

 

翌朝、8時起床。これだけ東温を回って、いろいろ知らないことを見聞きしているというのに、見た夢が「ヨボヨボの達郎くんをみんなで気遣う」というものだった。なんでだよ。赤澤さま出せよ。

力造さんとは昼食から合流しましょうという話をしていたので、12時まで暇。社長がカフェ的なところで仕事したいと言うので周辺を調べてみたら、案の定店がなく、車社会だぜ東温市……。結局、12時までいろいろ話す。11時過ぎると眠くなってきて、8時に起きた時点で二度寝すればよかったなと思ったけど遅い。

12時、力造さんが迎えに来てくれて、「昨夜はお楽しみでしたね!」と思ったけど言えず、愛媛大学のあれはなんだ? 医学部なのか大学病院なのか、あるいはそのふたつがいっしょに存在している敷地なのか知らないけれど、その横のチキンカツで有名な店で昼食を摂る。研修医・本坊書房も合流。本坊書房や力造さんにチキンカツのおすすめを聞いて注文すると、余裕で鶏まるまる一羽殺りましたくらいのサイズのチキンカツが届く。こういうとき、水を飲んだりして休憩しつつ食べようとすると、最終的に水飲むんじゃなかったみたいな感じになるので、黙々と胃に入れていくしかない。4人で鶏5羽分の命をたいらげたと思う。

それから、東温で会っておきたいひとにつないでもらって、力造さんとはお別れ。面会が済むと、近くの風呂で、帰りのフェリーまで時間を潰した。いやー弾丸ツアーでしたなー、でもフェリーまでまだ4時間くらいあるからダラダラすっか〜みたいな余裕カマしてたら、ここからフェリー乗り場まで車で1時間くらいかかることがわかり、慌ててタクシーを呼ぶ。

タクシーがフェリー乗り場に着き、雑なみやげもの屋で雑なおみやげと船内で飲む酒・つまみを買い、ちょうど乗船時間になったので乗船し、飲み、いい感じに酔ったところで出港した。赤澤さまからいただいた愛媛の日本酒を秒で空ける。秒で。往路の反省を生かし、音が気になる前に酔った勢いで眠りにつくのがよいと考え、いい感じになったところで寝た。起きたら午前2時。努力して再度寝たら、4時過ぎに起きて、間もなく下船というアナウンス。やっぱ22時〜5時っていうスケジュールなんか間違ってる気がする。もっとゆっくり行ってくれていいんだよ。5時とかモノレールの始発まだ動いてないし。

で、5時に下船して、6時過ぎのモノレールの始発を待って、乗って、帰って、寝た。