不思議少年が東京に行きます

熊本の不思議少年が今週東京で公演をおこなう。

単なる個人的な嗜好になるけど、小劇場演劇に限って言えば、日本でいちばん気になるカンパニーが不思議少年だ。他にも好きな劇団はあるけど、次の新作はどんなものを見せてくれるんだろうと非常に気になるのは、不思議少年だけだ。まあ、日本中のカンパニーをすべて知ってるわけではないのですが……。ということでささやかながら応援の意味で書く。

小劇場演劇にアンテナ張ってて、こまばアゴラ劇場に行くことができる首都圏の方は、観に行くことを強くおすすめします。2年半前、制作として帯同した『棘/スキューバ』という2作品は、賞レースですでに一定の評価を得ていた言わば代表作で、強い名刺を持って全国を回るという趣旨のツアーだった。今回満を持しての新作でのツアーで、これはいろいろあって弊社は制作としては関わってないんだけど、一観客として観ることのできる立場になれて、それはそれでとてもラッキーだった。

前回のツアーは多少なりとも無茶をするところがあったのだけど、ツアーが終わったあと、今後の展望についてピッピが「今度は地に足のついたやり方でやりたい」といったことを言っており、それが今回果たしてその通りになってるのではないかという感じがした。チラシがかなり早い段階でできて、応援したくなるようなユニークなプロモーションもおこなって(それが成果に結びついたかどうかは知らないけど、不思議少年らしいおもしろい企画だと思いました)、「自分たちの手の届く範囲のことを確実にやっている」という印象を受けた。北九州公演の会場に行って、ひょっとしたら弊社が制作で入ってたとき以上のことができてるんじゃないかと思ったほどだ。

そういうわけで、前回ツアーから2年半の時を経て、不思議少年が地に足をつけて着実につくったと思われる新作が東京に行くのは、素直にうれしい。ぜひ多くの方に観てもらいたい。シアターゴアーの多い東京ならではの感想も出てくることでしょう。それがまた不思議少年の次の創作への糧となり、もっともっと観たことのないおもしろいものが生まれてくるといいなあと思います。

意外だったのが、今回で不思議少年が10周年ということ。えっまだ10年しかやってなかったの? 10年で(というか5年目くらいから)このクオリティの作品をつくれるの? ということを認識して、びっくりした。演劇やるなら東京を目指す、みたいな風潮もいまだにあることはあるけど、「地方」にいながらにしてすばらしい作品をつくっているカンパニーが東京に行くのは、胸のすく思いがする。ガツンとかましてほしい。